『009 RE:CYBORG』を観てきました

神山監督によるサイボーグ009の劇場映画『009 RE:CYBORG』を観てきました。上映時間の都合で3D版が観れなかったのはちょっと残念。この映画の真骨頂は3D版のほうだったのかもしれません。

個人的な前提として、009はちょっと世代が自分より前になるため、テレビ版も全部は観ていませんし、そこまで原作に思い入れがあったわけではありません。もともと観に行く予定はなかったのですが、数日前に新聞に神山監督のインタビュー記事が載っていたのを読んで、ちょっと気になってしまったので、今日観に行くことにしました。

結果からいうと、うーん、とても微妙でした。

映像はキレイで、3Dで観たらさぞ迫力あっただろうなと思いますし、サウンドもグッドでした。音楽もいつもの川井さんで、雰囲気がとても良かったです。でも、背景や各シーンは劇場版としてとてもクオリティが高いのですが、人物の顔が非常に機械的だったのが気になりました。イヤ、サイボーグだから機械だし、とかいうのは無しで、表情が3DCGっぽすぎて口の動きとか違和感ありまくりでした。

それから、やはり話はちょっと・・・。おそらく原作ファンにとっても、未完の原作の新解釈版としてそれなりの評価をする人もいるんだろうし、キャラ設定が違いすぎてこんなんじゃないと批判する人もいるんだろうし、賛否が分かれるような気がします。そして、そこまで原作ファンじゃないと、映像がスゲー!これ最高!という人とラスト意味わかんないし、話が難しすぎるよ・・・という人に分かれるような気がします。決して万人向けではなく、観る人を選ぶ映画なのかもしれません。

ですから、原作に深い思い入れの無い身としては、ストーリーにあまりケチをつけるのは「原作読んで奥深さを理解してからにしろ」とか言われそうなので控えますが、何といっても各キャラが活かしきれてないのが個人的には致命的です。戦闘シーンなども迫力はあるのですが、それぞれの見せ場が印象的ではないのです。007(グレート)は多少ありましたが、008(ピュンマ)に至っては途中で消えて活躍場面すらありませんでした。だいたい、戦闘服に着替えるのが遅すぎるし、メンバー全員が勢揃いしないなんてそれはないでしょうって思ってしまうんですよね。やっぱり、ベタでもババーンとBGMに乗った全員勢揃いの戦闘服登場シーンを観て( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━って言いたいじゃないですか。

それと、003(フランソワーズ)と009(ジョー)のラブシーンは必要だったのかなぁ。おそらく、今回は00ナンバーズの再集合としての序章で今後さらなる続編を期待させているのかもしれません。

話の全体を通して神と人とサイボーグの葛藤やアイデンティティーを非常に観念的に扱った内容や映像で、ラストも観る人によっていかようにも解釈できるような終わり方でした。原作ファンの大人向けアニメとして、深い話にしたかったのかもしれませんが、もう少しわかりやすくエンターテイメントしてくれてもよかったのではないかなと感じました。あと、ビルの連続爆破やドバイへの核弾道ミサイルでの攻撃など、あまりに惨劇を簡単に扱いすぎているというか、人が無常にたくさん死んでしまう話は苦手なんですよね。

こんなことばかり言ってると「攻殻でも観てろ!」と言われそうですが、そうですね、攻殻の続きをやってくださいよ、神山監督。ほんとにお願いします。

単に観終わった後に、各キャラが恰好良かったよね~!って言いたかっただけなんですよ・・・。ホントに消化不良で参りました。やっぱり『伏 鉄砲娘の捕物帳』の方にすればよかったかなぁ。

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