2015年4月の読書メーター

2015年4月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:2260ページ
ナイス数:357ナイス

神様の御用人 (2) (メディアワークス文庫)神様の御用人 (2) (メディアワークス文庫)感想
モフモフの狐神・黄金とフリーターの良彦の御用人シリーズ第2弾。今回も、現代風の人間臭い古の神々達から、名湯探しから貧乏神の家探し、井戸からの脱出、浮気癖の改心など、様々な御用を言い付けられる良彦ですが、自分にも馴染みの深い出雲の大国主神も登場する本作の目玉は、このシリーズに不足していた美少女要素として、新たに天眼の能力を持つ穂乃香が登場したことでしょう。各話のストーリー展開やラストの納め方も、安心して読んでいられる安定感があり、今後どんな神々が登場するのかますます楽しみになってきました。
読了日:4月29日 著者:浅葉なつ
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)感想
ナミヤ雑貨店の相談窓口が9月13日に一夜限りで復活しますーかつて雑誌にも取り上げられた雑貨店には、人に言えない悩みを抱えた人たちのあらゆる相談を持ち込まれ、店主の浪矢雄治はそのどれもに真剣に回答していた。それから30年以上の時を経て、悪事を働いた児童養護施設出身の若者3人が忍び込んだのは、とうの昔に廃業し既に廃屋となったナミヤ雑賀店。そこへ、投函された一通の悩みを記した手紙に対し、ほんの出来心で回答したことから、過去と現在を繋ぎ、まさに空の上から誰かの意思が働いているかのような、不思議な往復書簡が始まる。
読了日:4月19日 著者:東野圭吾
あい―永遠に在り (時代小説文庫)あい―永遠に在り (時代小説文庫)感想
貧しい農村出ながら苦労の末に蘭学医師となり、立身出世には見向きもせず、ただひたすらに多くの患者と医療のために生き、晩年は北海道の開拓に全ての財産を費やした関寛斎。その清廉すぎる一生に寄り添い支え続けた、妻あいの視点から見た関寛斎という人物を通じて、人を愛し抜く姿を描いた感動の物語。あいの生涯を追うように、逢、藍、哀、愛という4章から構成される。特に愛する子を失い苦難に満ちた3章の哀は読んでいて辛くなる。あいの尊い生き様と共に、「人たる者の本分は、眼前にあらずして、永遠に在り」という言葉が胸に沁みます。
読了日:4月19日 著者:高田郁
鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐感想
上巻で、犬の襲来から生き残った者<欠け角のヴァン>。下巻では、ヴァンの後を追う狩人のサエや<火馬の民>のオーファン、そしてついに黒狼病の治療法を追い求めるホッサルと出会う。様々な民族の対立と政治的な謀略を複雑に絡め、そこにウイルスや病原菌の蔓延による感染症の流行といった医学的な要素を盛り込むことで、骨太で重厚な物語を描き出しているが、あえて言うならば、少しテーマを広げすぎたのかも。ホッサルとミラル、ヴァンとサエなどの行く末をもう少し見たかったというのは贅沢で欲張りな願望かもしれない。祝!本屋大賞
読了日:4月9日 著者:上橋菜穂子
鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐感想
幻想の扉の向こうには、上橋さんによって創り出された世界が広がっていました。妻と息子を病によって失い、故郷のために死兵となって<独角>の頭として強国と闘って敗れ、奴隷として岩塩鉱に囚われていたヴァン。突然襲ってきた山犬たちに噛まれた奴隷たちが次々と謎の病で死んでいく中、生き延びたヴァンとまだ幼子のユナの逃亡生活が始まる。そして、もう一人の主人公は天才的な医術師のホッサル。戦争と病、民族と家族など、様々な対立と葛藤によって複雑なテーマに正面から向き合う。果たしてホッサルは病を防ぐことはできるのか。下巻へ続く。
読了日:4月9日 著者:上橋菜穂子

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