2013年3月の読書メーター

2013年3月の読書メーター
読んだ本の数:20冊
読んだページ数:6818ページ
ナイス数:352ナイス

シアター! (メディアワークス文庫)シアター! (メディアワークス文庫)感想
テンポが良くて、読み出したら一気に最後まで読んでしまいました。千歳の加入をきっかけに変わり始める劇団の面々と、司の鉄血宰相ぶりが気持ちいいです。おそらく自分も作り出すことができる人の位置には立てないと思いますが、司の売った責任の言葉が胸に沁みます。売ったからには「いい仕事しました」って胸を張りたいですね。それにしても、やけにリアルだなあと思っていたら、声優の沢城さんがモデルだったんですね。この後のシアターフラッグがどうなっていくのか、非常に気になります。2も早く読みたいです。
読了日:3月31日 著者:有川 浩
チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)感想
いよいよ下巻では白鳥調査官が登場。テレビドラマをはるかに上回る強烈なキャラクターに圧倒される。にもかかわらず、下巻で際立ったのは、土壇場での田口先生の度胸のよさか。記者会見でのやり取りは実にスリリングで痛快。それを受けて立つ高階病院長の老獪さもまた見事。面白かったです。
読了日:3月30日 著者:海堂 尊
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)感想
テレビドラマは観ていましたが、原作は初めてです。ドラマのおっちょこちょいな田口先生と白鳥さんのコンビも配役の妙もあって、とても面白かったですが、原作のほうの大胆不敵で計算高い田口先生もまた、これはこれで非常に魅力的なキャラクターです。話は高度な医療技術と用語を駆使しながらスリリングに展開し、目が離せない。それにしても、「バチスタ」手術という、いかにもよくわからないけど何だか格好良さげだぞ、というネーミングにもこの成功の要因の一旦があったに違いない。
読了日:3月29日 著者:海堂 尊
容疑者Xの献身 (文春文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)感想
文章や会話のテンポの良さ、ストーリー展開とトリックもさすがの一言です。やはり一流のエンターテイメントここにありと感じさせてくれます。こんなことが無ければ、2人の人生がすれ違ってさえいなければ、湯川と石神のライバル対決をもっともっと見られたかもしれないのに、と思わされました。でも、生きる意味を見失った石神にとって、靖子と美里への献身こそが、生きる目的そのものだったのだから、こうなることは必然だったのかもしれない。
読了日:3月25日 著者:東野 圭吾
乙嫁語り 5巻 (ビームコミックス)乙嫁語り 5巻 (ビームコミックス)感想
いよいよ双子が嫁入り。4巻では花嫁修業を通して伝えられていく母の想いに涙し、5巻では嫁に出す父の想いに涙する。そして物語はまたアミルさんとカルルクを中心とした話へ。それにしても番外編の岩山の女王こと、婆様は恰好いい!毎度のことながら相変わらず中央アジアの衣装や風習、動物や民俗の精緻な描写に驚かされます。普段漫画を読まない人にも連綿と紡がれていくこの物語の世界観を感じてほしいと思います。
読了日:3月24日 著者:森 薫
ラットマン (光文社文庫)ラットマン (光文社文庫)感想
物語を彩る音楽やバンド、時代を感じる様々な背景に馴染みを感じることができるのは著者と同年代のせいかな。真相は2転3転し、決して読者を一所に安住させないストーリー展開はさすがと思いますが、とても哀しい物語。これでは、ひかりの死があまりにも居た堪れなくてやるせない。犯人だましの技巧に囚われすぎて、気持ちが置き去りになってやしないかと。もちろん、描かれた感情は生々しいものですが、なんていうか、読後に気持ちのやりどころに困る。
読了日:3月23日 著者:道尾 秀介
アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)感想
やり切れない。2年前と現在が交錯しながら物語が進んでいく。やがて明らかになってくる過去の事件と、今なお終わらない3人の物語が交じり合いながら浮かび上がってくるにつれ、胸の中が不安で押しつぶされそうになりながらも、読み進めていった先に、やはり救いは無かった。ドルジの琴美や河崎への思いは一途でとても悲しく、麗子さんのように強くもなれそうもない。無情な結末にやり切れなさと切なさでいっぱい。
読了日:3月23日 著者:伊坂 幸太郎
プリンセス・トヨトミ (文春文庫)プリンセス・トヨトミ (文春文庫)感想
冒頭の会計検査院の3人の人物紹介の時点ですでに話に引き込まれていくのを感じました。話は一見荒唐無稽であり得ないと思いつつも、設定の面白さと丁寧な風景描写、そして何より登場人物の魅力に圧倒されました。まさにジェットコースタームービーのようなエンターテイメントを見せつけられた気がします。ただ、あれだけの国を維持するのに年間5億はちょっとスケールが小さい気がするので、願わくばもっとどーんとあり得ない金額に設定してもらったほうがよかったように思いました。それと、やはり男なんて所詮女性の手のひらの上なんですね…
読了日:3月23日 著者:万城目 学
キノの旅〈4〉the Beautiful World (電撃文庫)キノの旅〈4〉the Beautiful World (電撃文庫)感想
この巻はあまり印象に残る話が無かったように思います。「二人の国」は読後感が良くなかったですね。ひょっとしたらあとがきが一番面白かったかも?それにしても、シズ様はお強い。
読了日:3月20日 著者:時雨沢 恵一
片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)感想
「向日葵の咲かない夏」で痛い目に合っただけに、ちょっと警戒していましたが、本作は非常に読みやすかったです。序盤から張り巡らされたミスリードを誘う伏線にまんまとしてやられ、怒涛の終盤の展開に何度も前のページを振り返る羽目になりました。人が死んで居た堪れなくなる話は苦手ですが、こういうラストに間一髪誰かが助けに来る話は、いくら陳腐と言われても好きです。とはいえ、伝えたいメッセージは重く、自らの片眼、自尊心はどこにあるのだろう、と考えさせられました。ちょっとズルい気もしますが大団円はキライじゃない。面白かった。
読了日:3月17日 著者:道尾 秀介
終末のフール (集英社文庫)終末のフール (集英社文庫)感想
8年後に小惑星が衝突すると予言されてから5年後、つまりあと3年で地球が滅亡するという一見荒唐無稽に見えて、リアリティが無いのにありそうな(または、ありそうで無いとも言える)のがこの作品の魅力であるのかもしれませんね。本作では、様々な登場人物の人間模様が描かれ、それぞれの話の中で絡み合うように物語が展開していきますが、個人的に一番お気に入りの登場人物は「冬眠のガール」の美智です。ところで、各編のタイトルは○○の○ー○で統一されていますが、やや強引なところもあり、ハライチのネタを思い出してしまったのは僕だけ?
読了日:3月16日 著者:伊坂 幸太郎
天地明察(下) (角川文庫)天地明察(下) (角川文庫)感想
時代の流れの大きなうねり、潮流のようなものを感じます。そのなかで、自らの天命を信じ、全うし続けることの尊さに心を打たれます。何度挫けようともただひたすらに己の道を歩み続けた晴海に、やがてえんが寄り添うことになるのも、これもまた天の理なのかもしれません。また、晴海を様々な形で支え続けた幾多の人々の高潔なまでの信念の強さを思う時、時を紡いでいく、繋げていくことの尊さを感じます。それにしても、途方もなく壮大な男のロマンですね。
読了日:3月16日 著者:冲方 丁
天地明察(上) (角川文庫)天地明察(上) (角川文庫)感想
何かを成し遂げようとする人たちはかくも眩しいものなのか。そして、年齢に関係なく飽くことのない探究心で研鑽に励む伊藤と建部の姿に敬服します。出てくる人たちが皆真っ直ぐで、己の信じる道を邁進する姿が気持ちいいです。早く下巻を読みたいのですが、やっぱりえんとは結ばれなかったのかしら?あと、算術は難しすぎて、よくわかりません(≧∇≦)
読了日:3月16日 著者:冲方 丁
キノの旅〈3〉the Beautiful World (電撃文庫)キノの旅〈3〉the Beautiful World (電撃文庫)感想
エルメスの軽妙な合いの手のおかげで(いい意味で)軽く読めるので、とても読書が進みます。なかには、当然、悲しい出来事や、切ない気持ちになる国や人々に出会いますが、キノの淡々とした雰囲気のおかげか、重々しくなりすぎないため、安心していろんな国を仮想体験できる感じが心地よいです。この巻のお気に入りは、「機械人形の国」ですかね。
読了日:3月12日 著者:時雨沢 恵一
獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)感想
王獣と心を通わそうと必死になるエリンの真っ直ぐな強さに胸を打たれます。傷つけれられても決して諦めず、押さえつけられようとも、自らが信じた道は決して曲げない。それは、きっと獣だけではなく、周りの人たちすべてに対しての想いなのでしょう。アニメではイアルと過去に出会っていて、もう少し2人の微妙な関係が描かれるのですが、それはまた本作とは違った魅力です。ともかく、とても素晴らしい話に出会えたことに感謝します。
読了日:3月11日 著者:上橋 菜穂子
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)感想
途中で読むのを断念しようかと思いました。が、一度手に取った以上、途中で投げ出すのも気が引けて、一応、最後まで読みました。とても感想を書きづらいですが、一言でいえばこういうのは苦手。後味が悪いというより、喉越しが悪いというべきか。読んでいてとても気分が良くない。面白いと思う人も多いのでしょうが、とにかくいろんな意味で忘れられない一冊になったことは確かです。
読了日:3月9日 著者:道尾 秀介
キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫)キノの旅〈2〉the Beautiful World (電撃文庫)感想
アニメは2003年でしたか。もう10年も前になるんですね。いつか読みたいと思いながら読む機会がありませんでした。多分に示唆的で、風刺的な話ばかりで、ウィットに富んでいるというか、皮肉めいているというべきか。お気に入りは「自由報道の国」。人によって見方がこれほどまでに変わるというのは、現実の報道を見ていても実感させられるところです。「優しい国」は・・・やはりラストのさくらの手紙が切ないですね。
読了日:3月7日 著者:時雨沢 恵一
阪急電車 (幻冬舎文庫)阪急電車 (幻冬舎文庫)感想
昔、阪急沿線(神戸線)に住んでいたことがあり、ぜひ読みたいと思っていたが、今津線だったとは勉強不足でした。他の地方(田舎です)から関西に移り住み、初めて乗った阪急電車内で真っ先に感じたのは、なぜ関西の人たちはこんなに電車の中で大きな声でしゃべるのだろう?ということで、まさにこの小説のなかで繰り広げられたような風景をリアルに体験したことを思い出しました。もはや住み慣れたはずですが、まさにこんな感じの馴れ馴れしい距離感覚が未だに苦手です。電車の中でそんなに簡単に人に話しかけないですよね(;^_^A アセアセ
読了日:3月5日 著者:有川 浩
砂漠 (新潮文庫)砂漠 (新潮文庫)感想
同じように様々な地方から集まった連中と、麻雀卓を囲みながら無意味に楽しい時間を過ごした学生生活を思い出しながら読んだ。途中、鳥井の事故のくだりは読んでいて辛かったが、とにかく会話が楽しくて、何度も吹き出しそうになった。自分はどちらかと言えば北村のような鳥瞰型だったかもしれないが、そんなに世の中を上から見下ろせるほど世間のことを考えていたわけでもない。できることならば、西嶋のように、自らを恥じず、臆さず、行動してみたいと思った。なんてことは、まるでない。
読了日:3月3日 著者:伊坂 幸太郎
獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)感想
NHKのアニメで観ましたが、いつか原作を読んでみたいと思っていました。エリンの母のソヨンに対する理不尽で残酷な仕打ちは、改めて読んでも辛くなりますが、その後、エリンが出会う人たち、なかでもジョウンに救われます。それにしても、よくこれだけ壮大な世界観を作り上げることができるな~と感心。でも、その反面、サイ・ガムル<血と穢れ>とかセ・ザン<堅き盾>とか、耳で聞いてもなかなか馴染みにくかったのですが、やっぱり文章のほうがわかりやすいですね。次はいよいよ王獣編。楽しみです。
読了日:3月3日 著者:上橋 菜穂子

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