映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ!感想

『映画スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ!』の封切り回を観てきました。

※以下、ネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください。

実にスマイルプリキュアらしい、すがすがしい映画でした。期待した以上にとても面白かったです。やはり、キャラ付けがしっかりしているので、ギャグでもシリアスでもきちんと役割分担ができていて、安心して観ていられます。

幼いみゆきがニコの絵本と出会うシーンから始まります。なかなか友達と打ち解けることができないみゆきですが、導かれるようにニコの絵本を手に取り、絵本を通じて友達と仲良くなることができました。そして、その絵本を自宅に持ち帰りますが、なぜか絵本は途中で破れていてエンディングがありません。そこで、みゆきは私が書いてあげると約束するのでした。みゆきが、昔は今と違って内気な子どもだったことが初めて明かされたシーンでした。

時は流れて、現在。世界の絵本大博覧会にやってきた5人は絵本の映画を観に入った会場で、スクリーンから飛び出してきたニコと出会います。金角と銀角に襲われるニコを助けようと、5人はプリキュアに変身。戦闘シーンはやっぱりいつもより派手です。いつもの技バンクではなく、炎や氷などのそれぞれの属性攻撃や連携技がとてもカッコよかったです。しかし、なぜ金角や銀角がニコを襲っていたのかは不明・・・。

絵本の世界へ招待された5人はそれぞれ、みゆきは『シンデレラ』、あかねは『一寸法師』、やよいは『孫悟空』、なおは(竜宮城のごちそう狙いで)『浦島太郎』、れいかはやはり正義の味方『桃太郎』を選択します。みゆきがシンデレラと言ったときに、ふとニコの表情が曇るのと、みんなを送りだした後、黒ニコへと雰囲気が変わりますが、このあたりはニコの暗い面や裏の顔をもう少し引っ張ってもよかったかな、と思います。実はニコが黒幕でした、みたいな一捻り欲しかったように思いますが、70分程度の尺ではあっさりいくしかなかったのでしょうか。また、黒ニコになったときの声はやっぱり林原さん全開でした。

それぞれの世界では、みゆきシンデレラの前に桃太郎が現れ、あかね一寸法師は巨大シンデレラに追いかけられ、やよい孫悟空は鬼が島で一寸法師に姫様をさらった犯人と間違われたり、れいか桃太郎が猿雉犬にきび団子をやろうとするとすでに浦島太郎が竜宮団子をあげて家来にしてたり、なお浦島太郎が竜宮城に着くと孫悟空たちがすべてごちそうをたいらげてしまっているなど、すべてがチグハグに。それもすべて黒ニコの仕組んだことで、みゆきに裏切られたニコがすべてのおとぎ話のエンディングをなくしてしまったからでした。

ヤミに支配されたそれぞれの主人公たちに襲われるプリキュアたちを助けたのはなんと、牛魔王や桃太郎の鬼、一寸法師の鬼の3人。話が物語どおりにすすまないと自分たちの出番がないからと、物語上では悪役であるはずの登場人物たちがプリキュアたちの味方をするというのがギャップがあって面白いのですが、実は今回、おいしい役どころだったのはこの3人。とくに牛魔王の男前っぷりといったらなかったですね。でも、シンデレラや浦島太郎にはそもそも悪役がでてきませんし、鬼はアカオーニとかぶってて、しかも、桃太郎と一寸法師のどっちの鬼だかわからなくなっているというところが、設定上もう少しなんとかならなかったものかと残念な点でした。

ニコに約束を破ったことを責められ落ち込むみゆきですが、そこを慰める&励ますのはやはりサニーの役目。今回の映画でもサニーの旦那ぶりはハンパではありません。落ち込むハッピーの口角を上げて、笑顔が大事と説くサニーも素敵でした。また、ニコのもとへと向かうハッピーを、プリキュアたちだけでなく、悪役3人衆も含めて「ここは私たちに任せて先に行って」と胸の熱くなるシーンが続きます。

そして、なんとかニコのもとへ辿りついたハッピーは、約束を守れなかったことを謝罪するとともに、かつて自分に笑顔を教えてくれたことに対するニコへの感謝の言葉を口にします。遊んでいるみんなに声をかけられず、なかなか友達をつくれなかった自分に、笑顔の大切さを教えてくれたのはニコであると。今のハッピーが常に笑顔でいられるのは、ニコのおかげだったのです。

ようやくわかりあえたニコとみゆきですが、そこへ立ちふさがるのは、魔王。魔王にとらわれたニコを助け出そうとする牛魔王がまたかっこいい。でもあんなすきまだらけの籠ならいくらでも逃げ出せるんじゃね?というツッコミを入れたくなったのは多分自分だけではないはず。

プリキュアたちもプリンセスフォームへと変身し、ロイヤルレインボーバーストを繰り出しますが、なんと跳ね返されます。いいんですかね、現段階での最強技を破られたことにしてしまって。しかし、倒れているプリキュアが映るシーンでプリンセスフォームから通常フォームに戻っていた気がしますが、気のせいでしたでしょうか?ですが、これがないとミラクルライトを振るタイミングがありませんので、展開上必要なことなのでしょう。よって、ここで、ミラクルライト登場。「みんなでプリキュアを応援するクル~!」

立ち上がるハッピー。そして、ウルトラキュアハッピーに。もはや神々しすぎて地上に降り立つだけで、地面は花々で満ち溢れます。しかも、今回は1人で立ち向かっていくのではなく、残りの4人もプリンセスキャンドルを合わせて力を結集したところがよかったですね。そして、魔王を倒すのではなく、やさしく包み込むように語りかけます。魔王にも笑顔になってもらいたい。みゆきのそんな願いが魔王にも通じたのでした。

みゆきの、みんな笑顔でウルトラハッピーに、という一途な思いのルーツがわかる話でした。映画版だから特別なサイドストーリーというわけではなく、本編の補足にもなったんじゃないかと思います。それぞれのキャラの活躍もあり、ギャグも小ネタなどの笑いあり(れいかさんはやっぱりいい味だしてます。ニコの話を聞くときにキャンディを突出しているシーンとか、ニコがスクリーンから飛び出してきたときに「最近の3Dってすごいんですね」って言うシーンとか。)、本編とはまた違った戦闘シーンありと、個人的には満足な出来でした。


 

なお、映画の最後に『映画プリキュアオールスターズ NewStage2』が来年3月16日公開!との告知がありました。DXからNSに衣替えして2回目となります。個人的にはNSは過去のプリキュアたちの扱いに納得できなかった部分が多かったので、次も心配なところですが、さらに数が増えるなかでは仕方のないことかもしれません。いずれにせよ、観に行くでしょうから楽しみにしておきます。

にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村 ←ポチッと押していただけるとありがたいですm(_ _)m