ビブリア古書堂の事件手帖1~3:感想

すっかり栞子さんの魅力にやられてしまいました。

古書を絡めて物語を展開していくというのも新鮮ですし、自分に文学的教養が無いのが非常に悔やまれますが、さりとて知らないからといって嫌味に感じて敬遠してしまうことなく、読んでいるうちに自分もなんだかちょっと古書について詳しくなったかのような気分にさせてくれるので、読んでいて気持ちがいいです。

しかし、なによりも栞子さんにつきます。挿絵の影響も大きいと思いますが、キャラと非常にあっていて、しかも眼鏡っ娘!。

物語はというと、古書店に持ち込まれる古書にまつわる人々の過去や謎や様々な想いを解き明かしていくというか、気持ちを解きほぐしていくようなストーリーが中心です。

3巻の最後のエピソードでは、栞子さんが謎解きを請け負うみたいな話になっていくのですが、そこは狙いがあってのことかどうかわかりませんが、ちょっと残念なところ。店を訪れる客とのやり取りから自然と事件(というほどでもない)に巻き込まれていくという展開でいいんですよ。テレビ化の影響でわかりやすく古書探偵みたいなキャラづけを狙っているわけではないことを祈りたい。

それと、ひとつ気になるのは説明というか展開が拙速すぎやしないか、という点です。もう少しゆっくりとストーリーが進んでいってもいいと思うんです。丁寧に説明しすぎている気がします。

同じことが言えるのが、登場キャラの再登場が早すぎるということです。忘れたころに、話に絡んできたり、実はあの人が・・・みたいな使い方をすればおおっという意外感とプレミア感を演出できるのに、次の話にすぐ登場してきたりするんですよね。

基本的に3つのエピソードで1巻という構成なのですが、2つの単体のエピソードの中に、ひとつぐらい話の本筋に迫るようなおおきな核心に触れるような話を混ぜるぐらいでちょうどいいのではないかなと思います。

別に批判ではなくて、ちょっともったいないかなと思うだけです。もう少しじっくり、いろんな栞子さんの話を聞きたいだけです。

 いずれにせよ、今後も楽しみな作品です。