2013年1月の読書メーター

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:4836ページ
ナイス数:179ナイス

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)感想
もともと結末のいかんに関わらず、誰かが犠牲になる話、なかでも特に子供がその対象になる話は苦手な部類ですが、この物語はそれに輪をかけて全く救いのない話。これでもかと言わんばかりの人間の感情の生々しさと醜さを見せつけられるが、それでも決して否定しきれない気持ちにさせられるのは、それが人の本質に迫っているからでしょうか。それぞれ異なる人物の視点からの独白で構成され、次から次へと物語が展開していき、最後の最後まで登場人物の誰一人として救おうとしない徹底ぶりは凄まじい。そして見事の一言。
読了日:1月29日 著者:湊 かなえ
RDGレッドデータガール  はじめてのお使い (角川文庫)RDGレッドデータガール はじめてのお使い (角川文庫)感想
4月からアニメ化されるということで読んでみました。勝手に泉水子さんはCV:花澤香奈さんで脳内再生していましたが、公式サイトによると早見沙織さんとのことで、これはこれで充分納得のキャスティング。初めは泉水子にいらいらさせられっぱなしでも、姫神登場あたりからラストまで一気に成長していって駆け抜けていく様は爽快です。次も読んでみたくなりました。
読了日:1月27日 著者:荻原 規子
遠まわりする雛 (角川文庫)遠まわりする雛 (角川文庫)感想
短編集のためか、一つ一つ区切りながら読んでしまって思いのほか読み終わるまでに時間がかかってしまった。アニメにも登場したエピソードがほとんどですが、「手作りチョコレート事件」では、まさに青春群像劇の名のとおりのほろ苦さを感じながら、最後の「遠回りする雛」で見せる千反田さんの凛とした決意に胸を打たれます。いつか奉太郎が言えなかった台詞を言えるときは来るのだろうか。
読了日:1月27日 著者:米澤 穂信
インシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)感想
いつも『インシミテル』と空目してしまう本タイトル。引き続きの米澤作品ですが、いつもの青春ミステリとは一線を画す内容でした。とはいえ、一度はクローズドサークルに挑戦してみたかった、という著者の言葉に表されているように、何だか過去の有名なミステリ作品をモチーフにしつつ、従来にはない結末にしたかったせいなのか、狙いすぎて生き残った人数も理由も少し中途半端になってしまったように思えてしまったかな。それなりに面白かったですが、こうなると「どうしてこうなった・・・」という評判の映画も怖いもの見たさで観てみたくなる。
読了日:1月20日 著者:米澤 穂信
ボトルネック (新潮文庫)ボトルネック (新潮文庫)感想
設定とパラレルワールドの世界観の説明が非常にうまいと感じた。日本海に吹きすさぶ風のように容赦なく突きつけられた残酷な事実にいやおうなく向き合わされた主人公がこれから先選ぶ未来はいかなるものか。読者にゆだねられた形のラストが胸を締め付ける。でも、本当は、架空の3日間はあくまで自分の中にあった、あのときああすればよかったという後悔の心の具現化にすぎず、取り返せない現実と向き合っていく勇気を信じたい。
読了日:1月18日 著者:米澤 穂信
クドリャフカの順番 (角川文庫)クドリャフカの順番 (角川文庫)感想
これまでと違って奉太郎視点だけではなく、視点がそれぞれに移り変わる形式で物語が進んでいく。アニメだとその辺りは自然に場面転換するのだけれど、原作の小説のほうがちょっと不自然に感じてしまうのは正しい感想ではないのだろうな。今回も印象に残ったのは、里志の奉太郎に対するちょっぴりの対抗心、そして諦めと期待。
読了日:1月16日 著者:米澤 穂信
愚者のエンドロール (角川文庫)愚者のエンドロール (角川文庫)感想
古典部シリーズ第2弾。相変わらず全くもって高校生然としていない会話の応酬の古典部に加えて、さらに強烈な「女帝」入須先輩、そしてまたもや奉太郎の姉がそこに絡んできて、未完の映画の密室殺人の謎とその結末を探るという長編作品。古典部のメンバーの中では里志がいい味出していると思いますが、やはりアニメのキャスティングは絶妙だったなと改めて思います。
読了日:1月13日 著者:米澤 穂信
黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)感想
ようやく泰麒が帰ってきたものの、戴国の夜明けはまだ遠い。失われた年月の間に成長した泰麒が向かう先にどのような苦難が待ち受けているのか。果たして驍宗の行方は?こんなお預け状態で10年以上なんて、小野先生、殺生すぎます。
読了日:1月12日 著者:小野 不由美
氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)感想
とうとうと続く一人称語りが、ありがちなラノベスタイルを思い浮かばせますが、流れるような文章と、魅力ある生き生きとしたキャラ達が好印象です。それにしても、初対面のえるたんに対して、「お前」呼ばわりとは、さすが、CV:中村悠一、俺たちにできないことを平然とやってのける。そこに痺れる!憧れるゥ!
読了日:1月10日 著者:米澤 穂信
黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)感想
続いて、やはり戴国編となる本書を再読。人の心の危うさと急激な変化を恐れて揺れ動く感情が花影と李斎の会話を通じてとてもうまく描写されている。このまま下巻に突入するけれど、戴の乱は完結しないことはわかっているのでつらい。早く新装版で完結編を描いていただきたいが、戴国、そして驍宗と泰麒の行く末に救いはあるのだろうか。そして景王陽子はどのような選択をするのだろうか。
読了日:1月10日 著者:小野 不由美
風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)感想
続けて下巻も再読。これだけ素直でいい子の泰麒を眠れないほど苦しめた景麒の口下手には本当に猛省してもらわなければならないですね。やはり饕餮を使令に下すシーンは何度読んでもいいですが、アニメでの釘宮さんの名演が忘れられません。以前NHKのアニメ夜話でこのシーンを生アフレコで再現されていたのを見て感激したのを思い出します。個人的には一番好きな釘宮さんです。
読了日:1月7日 著者:小野 不由美
風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)感想
新潮社の新版ではなく、講談社X文庫ホワイトハート版の再読です。魔性の子を読んだ流れで読みたくなってしまいました。泰麒は汕子や蓬山の女仙にとってだけでなく読者にとっても本当に愛おしい存在です。果たして泰麒は転変し麒麟となって王の天啓を得ることができるるのか。また指令を折伏させることができるのか。一番好きなシーンは下巻のお楽しみです。
読了日:1月6日 著者:小野 不由美
魔性の子 (新潮文庫)魔性の子 (新潮文庫)感想
この物語は、『風の海 迷宮の岸』と同じ書き出しで始まり、『風の海 迷宮の岸』のラストで戴国から泰麒がいなくなってしまったあと、『黄昏の岸 暁の天』で戴国に帰ってくるまで、神隠しにあった高里少年として蓬莱で過ごした期間を描いた、いわば十二国記の裏の物語です。このたび新潮社から新たに完全版としてスタートした新シリーズでは序章とされているようですが、正しくは外伝でしょうね。戴国の行く末が気になったまま長く待っていますが、続きはいつまで待てばよいのでしょうか。
読了日:1月5日 著者:小野 不由美
Another(下) (角川文庫)Another(下) (角川文庫)感想
下巻はクライマックスに向け、さすがの怒涛の展開+見事な伏線の回収で楽しめました。しかし、気になったのはやはりそもそもの設定で、<現象>により引き起こされる惨劇というべき出来事と、それを家族にも言えない秘密として日常続けることを、いくら天秤にかけても、夜見山に留まり続ける理由は見当たらないということ。ゆえに最後まで、みんななんで受け入れてるんだよ、という思いが拭えない。それを言っちゃあおしまいですかね。それにしても、原作ではアカザーさんあまり活躍?しないのね。そこはアニメスタッフグッジョブです。
読了日:1月4日 著者:綾辻 行人
Another(上) (角川文庫)Another(上) (角川文庫)感想
アニメ視聴済みなので、伏線が張られている部分はわかったうえで読み進めましたが、やはりいくら後で説明されても、序盤に主人公に対する”対策”に失敗するあたりの理由付けが弱いので、謎を小出しにしてミスリードを誘っているのはわかるが、不自然さの方が上回る感じ。しかし話の本番は下巻だろうから、これから楽しみに読みます。
読了日:1月1日 著者:綾辻 行人

読書メーター