映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス

「映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス」少し遅ればせながら観てきました。
シリーズも10作目となり、第15作目となる劇場版最新作(思えば遠くまで来たものだ・・・)は、「大切な思い出」や「未来」を主題に、「未来の世界へ、レッツゴー! 大切な思い出も、みんなの夢も わたしたちが守る!」をキャッチコピーとした作品となっています。
ストーリーは、
マナは、祖母のいすずと母のあゆみが着たというウェディングドレスをあゆみから貰う。「このドレスを着るのはいつだろう」とマナが思っていた時に、謎の男マシューが現れ、過去の世界へ飛ばされてしまう。過去の世界で亡くなったいすずやかつて飼っていた愛犬のマロと再会するが、六花やありすがおらず、思い出が書き換わったと知る。このままでは過去も未来も変わってしまうと、それを守るため行動を起こす。

という内容です。(wikiより転載)

以下、ネタバレとあまり愉快ではない感想となりますのでご注意ください。


率直な感想としては、全体的にあまり納得度の高い作品ではありませんでした。特にストーリー展開に必然性のない唐突なものが多く、感情移入できないところが多く見受けられました。

何点か挙げると、

  • マロがマナを憎むようになるきっかけが明瞭ではなく、マシューとなって突然敵対して現れる理由がわからない。あんなに可愛がっていたのに、未来を奪おうとするまでに恨むことになる動機となり得るだけの説得力が欠けている。
  • トランプ王国の思い出に閉じ込められたキュアソードを助けるために現れたキュアエースの登場が突然すぎて、どうやってそこへたどり着いたのか説明もないため意味不明。
  • 思い出の中で、ダイヤモンドやロゼッタが覚醒し、プリキュアに変身する際の変身バンクが省略されている。お約束とはいえ、一応の見せ場なんじゃないの?!
  • 一応大ボスとなるクラリネットのキャラが立っていないため、人間達を恨んですべてを思い出に閉じ込めようとする動機が不明確でぼやけている。一応、敵役にはプリキュアに立ちはだかる敵たり得るだけのストーリー性が欲しいところ。でないと、ただの悪役になってしまう。また、手下のシルバークロック、マネキンカーマイン、パープルバギーのトリオもさして活躍する場面がなく、ただのやられ役のザコキャラとなってしまっている。
  • ミラクルブーケライトを振るタイミングの必然性に欠け、今がどういうピンチで、プリキュアにどういう力が必要で、なぜライトを振ることでその力の助けになるのかという説明が不足している。単に定番アイテムだから、ピンチのときに振っといてよと言わんばかりの乱雑な扱いに思える。
  • 最終決戦でクジラに乗り込んでいく際の、「ここは私達に任せてハートが先に行って!」はお約束の見せ所のはずなのに、行く手を遮るのが何故かタコの触手(クジラなのに)のみ、そして辿り着いたラスボス前では、すぐに他のメンバーが追い付いてくるという、先に行かせたのは何のためだったのだろうと思わせてしまうというおざなりな設定。
  • (これは劇場に言うべきことですが)音響がショボい。音がスカスカで劇場の迫力が無く、臨場感に欠ける。


とまぁ、不満ばかりを述べてしまいましたが、要するに尺が足らないのかやっつけ感満載で全体的に説明不足感が否めないというところです。劇場版としてのスペシャル感、お得感、意外性が少し欠けていたのではないのかなぁというのが正直な感想です。

もちろん、キュアハートのエンゲージモードとか、マナのウエディングドレス姿とか、ダビィぐう有能すぎとか、お婆ちゃんとのエピソード(なかでも名付けの由来)とか、劇場版ならではの見所があったのも事実です。それから、ラストシーンの「モチのロンさ」は涙腺崩壊間違いなしの必見の名シーンだと思います。

なお、ゲストキャラのべベルとマシュー(マロ)ですが、ベベルの杉山さんは久しぶりの声役のように思いますが、流石の一言。そして、マシュー役の谷原章介さんですが、これが意外(と言っては失礼か)に自然で、声も小野Dっぽくて(これは逆にファンに怒られるかな?)はまっていたように思います。

終了後には、3月に公開予定のプリキュアオールスターズNewStage3ラストステージの番宣がありました。今後の動きとか全然知らないのですが、いよいよシリーズの集大成のような時期に来ているような感じがするのは気のせいでしょうか。