「劇場版 TIGER&BUNNY -The Rising-」感想

TIGER&BUNNYの最新作となる「劇場版 TIGER&BUNNY -The Rising-」を観てきました。
前作である「-The Biginning-」がテレビシリーズをベースに第2話と第3話の間に起こったエピソードをサイドストーリー的に描いていたのに対し、本作はテレビシリーズ後を描く完全新作映画となっていることから、観る前からワクワクが止まりません。


前作が2012年9月の公開でしたから、考えてみると1年半ぐらい待ったのだなぁと感慨も深くなりますが、観終わっての感想は待ってよかった!期待どおりの王道ストーリーに満足いっぱいです。
 
以下、想いが溢れ出て思わずネタバレしている部分があるかもしれませんが何卒ご容赦ください。

能力の減退によりハンドレッドパワーが1分しか発揮できなくなり一時ヒーローを引退したものの、テレビシリーズラストで2部へ復帰したワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹と、復讐を果たしたのち同じくヒーローを一時退いた後、虎徹の復帰とともに再びパートナーとしてコンビを組むことになった相棒のバーナビーブルックスJr。

お互い2部のヒーローとしての現状にもどかしい気持ちを抱えていたところへ舞い込んできた1部への復帰の知らせ。しかしながら、バーナビーの相棒となったのは重力を操る能力を持つ新たなヒーローであるゴールデンライアン。しかも、虎徹たち2部は契約解除されヒーローの道を閉ざされてしまいます。

でも、そんな逆境があるからこそ、いつもやさしく見守っている兄と母がいて、ブルーローズのお膳立てがあって、楓の叱咤激励によって、みんなに支えられて復活していく虎徹の姿が光って見えました。

また、それぞれ一人ひとりのヒーローたちの見せ場がしっかりあったのもうれしかったです。
声を衝撃波として操る能力を持つNEXTと対峙することになったスカイハイ、ロックバイソン、折紙サイクロンの3人の男性チームの連携プレーと、それまでいいところが無かったロックバイソンに美味しいところをもっていくのが憎い演出。

両手からトラウマに囚われた眠りを与える能力を持つNEXTと対峙するのは、女性チームのブルーローズ、ドラゴンキッド、そして今回主役級のスポットを浴びた「男は度胸、女は愛嬌、じゃあオカマは?最強よ!」のセリフがとても格好良かったファイヤーエンブレム。ドラゴンキッドのファイヤーエンブレムに対する想いの詰まった叫びには、思わず涙ぐんでしまいました。

分身の能力を持つNEXTと対峙したバーナビーとゴールデンライアンの二人。ライアンの能力の活かし方も上手く、ウマが合わないようで息の合ったコンビプレーを見せる二人が良かったです。ライアンもちょっと鼻持ちならないヤツと思わせておきながら、結局いいヤツっていうお約束みたいなところがまたいいんです。

それから、今回の事件の黒幕(誰かは伏せます)が、ある意味バーナビーと同じように父の仇という目的を持っていたことから、バーナビーが単に復讐心に囚われ続けたヒーローではないこと、また過去のトラウマと決別する姿を描き出すこともできました。

そして、再びヒーローとして立ち上がった虎徹の前に立ちはだかるのはルナティック。決して相容れることのない全く異なった正義感を持つこの二人の戦いはこれからもまだまだ続くことでしょう。

また、アニエスたちヒーローTVクルーもそれぞれしっかりと登場場面がありますし、ベンやロイズさん、そして相変わらず地声のちっちゃい斉藤さんの虎徹を引き合いに出したライアンとの掛け合いは面白かったです。

なんといっても完全新作で新たな活躍を観ることができたという感激が一番大きいですが、無駄のない構成と真正面から王道を行くストーリー、そしてとても素晴らしい映像に大満足です。相変わらずブルーローズがマシンに跨る後ろ姿のお尻のアップの角度は完璧だったではありませんか。それに比べればシーンごとの虎徹とバーナビーの顔の少々の崩れなんて瑣末なことです。それよりも、戦闘シーンとヒーロースーツの拘りの凄さを見ましょう。ラストの久しぶりのコンビ復活によるタイガー&バニー・オーバー&アウトには再び涙がこみ上げてくるほど痺れました。


ラストの展開も非常にベタですが、それがいい。次につながりそうな展開に思わず新シリーズを期待してしまいます。とにかくファンなら必見の映画であることは間違いないと思います。

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入場特典カードはルナティックでした。