2014年12月の読書メーター

2014年12月の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:738ページ
ナイス数:220ナイス

ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)感想
シリーズ6作目の題材は一冊丸ごと再び太宰治。前作でようやく想いが通じ合った大輔君と栞子さんの初々しさはもはやネタの域。ロマネスクの会の三人たち祖父母の世代、田中や大輔、栞子さんたち孫の世代、その間には智恵子さんがいて、それらの世代を超えて人々を魅了する太宰の『晩年』を巡って繰り広げられる因果の罪深さに古書の奥深さを感じます。少し人間関係が内輪で因縁めいて絡ませ過ぎな感はありますが、シリーズも残り僅かとなり、母娘の問題をはじめ、どう決着をつけるのか楽しみです。
読了日:12月31日 著者:三上延
有頂天家族 (幻冬舎文庫)有頂天家族 (幻冬舎文庫)感想
「面白きことは良きことなり!」母と長兄矢一郎を宿敵の夷川一族に囚われ、下鴨一族の絶対絶命のピンチにもかかわらず、偽叡山電車に化けた矢二郎と、矢三郎と矢四郎の三人が京都の町を疾走しながら高らかに唱和するシーンが最高すぎます。阿呆の血のしからしむるところの本能に忠実に従い、日々を面白おかしく生きる狸たち、傲慢で威張り散らす天狗、強欲で自分勝手な人間たち、それぞれ愛すべき者たちが京都を舞台にせめぎ合っている愉快な物語。昨夏のアニメを自動録画して消さずにいた僥倖により動く弁天さんを視られることに感謝。
読了日:12月17日 著者:森見登美彦

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