魔法少女まどか☆マギカ 第8話 「あたしって、ほんとバカ」

狂気に駆られたさやか。魔女どころか結界ごと破壊する勢いです。「やり方さえわかっちゃえば簡単なものね。これなら負ける気がしないわ。」
魔女を倒し現実へと戻ってきたさやかはすでに目がいっちゃってます。グリーフシードを杏子に「あげるよ。ソイツが目当てなんでしょ。」と投げ付け、これで借りはチャラと言い残しフラフラな状態のまま立ち去ろうとするさやかに杏子がひとこと「あのバカ。」
雨の中、ベンチに座り「さやかちゃん、あんな戦い方ないよ。」というまどかですが、ああでもしなきゃ勝てないとさやか。勝ててもさやかのためにならないというまどかに対し、ソウルジェムを取り出し、「こんな姿にされた後で何があたしのためになるっていうの。」と自分は死んだ体を動かしてるふりをしている石ころだとさやか。なおもどうしたらさやかが幸せになれるかと問うまどかに、ついにさやかが「だったらあんたが戦ってよ。」と言い放ちます。
「あたしのために何かしようっていうなら、まずあたしと同じ立場になってみなさいよ。無理でしょ。当然だよね。ただの同情で人間やめられるわけないもんね!」
「同情なんて、そんな・・・」
「なんでもできるくせに何もしないあんたのかわりに、わたしがこんな目にあってるの。それを棚に上げて、知ったようなこと言わないで!」
「ついてこないで!」と言い放ち、泣きながら走り去るさやかのソウルジェムは黒く濁っています。
ほむらの家には杏子。杏子は今日も食べ物(今日はラーメン)を食べています。しかしこれが家の中ですか?イヌカレーすげー。
ヴァルプルギスの夜の出現予測範囲を地図で示すほむら。(背景の中の「●1914_Bücher」とはなにか意味があるのだろうか?日本語にすると1914年の書籍)
根拠は統計とだけ話すほむらに対しもうすこし手の内を明かせと迫る杏子。「それはぜひボクからもお願いしたいね」と現れたのはQB。どの面下げて出てきやがったと杏子。←そのとおりだ!。
QBは重要な情報として、さやかの消耗が予想以上に早いだけじゃなく、彼女自身が呪いを生み始めたと伝える。それはヴァルプルギスの夜よりもやっかいらしい。どういう意味だと杏子は尋ねますが、その意味をほむらは理解しているよう。ほむらは穢れを溜め込みすぎたさやかのソウルジェムを早く浄化しないと取り返しのつかないことになると言う。
翌日の学校にさやかの姿はない。あのとき追いかけなかったことを悔やむまどか。そして、2人で下校するひとみと上條くん。「お話したいことがありますの。」とひとみ。
まどかがさやかの家を訪ねるとさやかは昨日から帰っていないとのこと。
ベンチで仲良く話すひとみと上條くん。それを影から見つめるのはさやか。気持ちを振り払うように戦うさやかのもとへ、ほむらが現れソウルジェムを浄化するためグリーフシードを使うよう言いますが、さやかは聞く耳を持ちません。
「あんたたちとは違う魔法少女になる。あたしはそう決めたんだ。誰かを見捨てるのも、利用するのも、そんなことをするヤツラとつるむのもイヤだ。見返りなんていらない。あたしだけは絶対に自分のために魔法を使ったりしない。」
ほむら「あなた死ぬわよ。」死ぬときは用済みになったときとさやか。助けたいだけなのにどうして信じてくれないの?というほむらに「あんたがウソつき」だとわかってしまうとさやか。
本音を言い当てられたほむらは魔法少女に変身。「ええ、図星よ。わたしはあなたを助けたいわけじゃない。あなたが破滅していく姿をまどかに見せたくないだけ。」これ以上まどかを悲しませるなら、いっそこの場で殺してあげると迫るほむらを止めたのは杏子。杏子に捕まったままでは瞬間移動が繰り出せないと思いきや、左手の盾から手榴弾を発生させ、一瞬のすきを作り出しその場から消えうせます。なんかギミックがかっこよかった。
しかし、今回は背景がこれまでに増してものすごく力が入ってませんか?
電車に乗っているさやかにホスト風の男たちの会話が聞こえてくる。女は犬と思ってしつけないとダメだとか、顔殴るぞって脅せばたいていはだまるとか、ちょっと甘やかすとすぐ籍入れるとか言い出すとか、ブラックすぎるでしょ。苦情来ますよ。ほんとに。
その女の人のことをもっとよく聞かせろとさやか。白黒の車内がコワイです。「ねぇ、この世界って守る価値あるの?あたしなんのために戦ってたの?教えてよ。」もはや問いかける相手すら見失っています。「今すぐあんたが教えてよ。でないとわたし・・・」さやかが壊れたー。
さやかを探すまどかの元にQBが現れ、「キミもボクのことを恨んでいるのかな?」と訊ねます。すごい魔法少女なれるっていうのは本当なの?と訊ねるまどかに対し、QBは「すごいなんていうのは控えめの表現だ。キミは途方もない魔法少女になるよ。恐らくこの世界で最強の。」
だったら自分が魔法少女になったらさやかの体を元に戻せるのかと聞くさやかに、それぐらい造作もないだろうねとQB。
「その願いはキミにとって魂を差し出すに足るものかい?」
「さやかちゃんのためなら、いいよ。私魔法少女に・・」
噴水が止まったかに思われるほどの刹那。衝撃のシーン。QBが穴だらけに。現れたのはほむら。
役に立たないとか、意味がないとか、勝手に自分を粗末にするなとまどかに迫るほむらの涙が宙に浮かぶ演出がとてもキレイ。
「あたしたちはどこかで会ったことあるの?」さやかを探すと立ち去ろうとするまどかに、「美樹さやかはもう・・・」というほむらの声は届きません。
「無駄なことだって知ってるくせに。懲りないんだなぁキミも。変わりはいくらでもいるけど、無意味につぶされるのは困るんだよねぇ。もったいないじゃないか。」と現れたQBが、穴だらけになったほうのQBを食べます。なんてグロイんだよ・・・まったく。
キミに殺されたのはこれで2度目だけど、おかげで攻撃の特性も見えてきたと言いながら猫のようにじゃれる姿が怖い。
「時間操作だろ?」「やっぱりね。なんとなく察しはついてたけど、キミはこの時間軸の人間じゃないね。」
「お前の正体も企みもわたしはすべて知ってるわ」とほむら。「なるほどね。だからこんなにしつこくボクの邪魔をするわけだ。そうまでして鹿目まどかの運命を変えたいのかい?」
「ええ、絶対にお前の思い通りにはさせない、QB。いいえ、インキュベーター。」
駅のホームに一人座るさやかの元へ杏子が。もうなにもかもわからなくなったさやかのソウルジェムは既に割れかけています。いつか杏子が言った希望と絶望のバランスは差し引きゼロという話。さやかは誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられなかった。
「あたしって、ほんとバカ。」
そう言ったさやかの涙がソウルジェムに零れ落ちると同時にソウルジェムが弾け飛び破壊されます。崩れ落ちるさやかと、吹き飛ばされそうになりながら「さやかー」と叫ぶ杏子。
街を見下ろすクレーンの上からQB「この国では成長途中の女性のことを『少女』って呼ぶんだろ?だったら、やがて『魔女』になるキミたちのことは『魔法少女』って呼ぶべきだよね。」

次回予告「バカと思うかもしれないけど、あたしはね、本当に助けられないのかどうか、それを確かめるまで諦めたくない。」(by杏子)
次回魔法少女まどか☆マギカ 第9話 「そんなの、あたしが許さない」


いやーすごかった。今回はいつもにも増して絵もセリフも背景も演出も音楽も内容もなにもかもが神がかり的すぎて、一瞬たりとも目が離せなかったです。
ほむらの正体は未来少女で、未来からまどかを守るために時間軸を超えてこの世界にやってきたようですが、だったらもう少し接近の仕方があるだろうに・・・まったく不器用とかそういうレベルじゃないぞ。QBの本当の名はインキュベーター。直訳すると孵化器ですね。まさに少女→魔法少女→魔女とするための存在ということでしょう。
予告後のラストカットはさやかが涙を流しながら「あたしって、ほんとバカ。」と言ったシーン。改めて救われなかったさやかと救おうとした杏子が悲しすぎる。

にほんブログ村 アニメブログへ←ポチっと押していただけるとうれしいです。